◆「子育て」を楽しむ◆ うちの子、反抗期がないんです【2/5編】 〜思春期に親子関係の「結び直し」が行われる〜
- 公開日
- 2019/09/13
- 更新日
- 2019/09/13
校長室より
子どもが小さい時期の親子関係は、「保護者が育てる・守る/子どもは育てられる・守られる」という、保護者が上で子どもが下の「タテ」の関係が成立しています。しかし、子どもが肉体的・精神的に成熟するにつれて、この関係性は次第に「お互いが自立し、同等である」という「ヨコ」の関係に結び直されていきます。
ただし、思春期の子どもは、体は大きくなっても、社会的にも経済的にもまだ自立できておらず、中途半端なまま。保護者は相変わらず上にいて、完全にヨコの関係にはなれません。そこで子どもは、暴言や無視などをとおして、なんとか「親を引きずり下ろしてやろう!」と画策するのです。これが、いわゆる反抗期です。やっかいなのは、子ども自身が保護者を引きずり下ろそうと明確には自覚しておらず、ただ「親がムカつく」とか「自分のことをわかってくれない」と、モヤモヤイライラしてしまうところです。
さて、反抗期が始まると、保護者の多くはときどき衝突や悲観を重ねながらも、子どもの気持ちに歩み寄る努力をします。子どもも、どこかの時期で「親も一人の人間なんだ」と気付き、引きずり下ろすことに大した意味を見出さなくなる体験をします。こうして、親子関係が「タテからヨコ」に、ある程度結び直されたところで反抗期は終わりを迎えます。
次回は、「反抗期がなくても心配がない場合」についてです。