「HSC(ひといちばい敏感な子)」という概念をご存知ですか?【1/3編】
- 公開日
- 2021/02/08
- 更新日
- 2021/02/08
校長室より
「ちょっとしたことですぐに泣いてしまう」「ほかの子に比べて傷つきやすく,落ち込むことが多い」と,子供の繊細さにお悩みではありませんか?
先日,ある保護者の方から,「校長先生,HSCってご存知ですか?」と尋ねられました。勉強不足であった私は,すぐに調べてみました。
今回は,その内容について書かれていたことを参考にして,子育てについて考えていきたいと思います。
みなさんも,子育てをされていて,色々とお悩みになられている方も少なくないのではないでしょうか?そして,「私の育て方が悪いのかも……」と自分を責めてしまったり,子供に厳しくあたってしまったりしてしまうこともあると思われます。
もしも,気になるお子様の言動を,「子供が生まれながらにもった気質である」と捉えることができたとすると,その悩みもかなり解消されるのではないでしょうか?
HSCの子供は毎日しんどい?
最近よく耳にする「繊細さん」,いわゆる「HSP(Highly Sensitive Person)」とは,感受性がきわめて強く敏感な気質をもった人のこと。HSPの人は,学校生活や社会生活で苦労することが多く,生きづらさを感じる人も少なくないそうです。そして子供たちのなかにも,ひといちばい敏感な子(Highly Sensitive Child=HSC)は存在します。しかもその割合は5人に1人と非常に多く,「もしかしてうちの子はHSCかも……」と心配される親御さんもたくさんいるようです。
この概念を見いだしたのは,アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士。HSCは生まれついた気質であり,決して性格の問題ではないこと,脳の神経システムに違いがあるということなどもわかっており,やみくもに「気にしすぎじゃない?」「気のせいだよ」と励ますことは逆効果になってしまうことも。
特にまだ小さい子供の場合,敏感に反応する五感の不快さをうまく言葉で表現できないことが多いので,大人よりも何倍も「しんどい」と感じているはずです。