元警察に勤務されていた方が,警察勤務時に見た,子ども達が巻き込まれるネットトラブル【後編】
- 公開日
- 2020/10/19
- 更新日
- 2020/10/19
校長室より
前編では,青少年がネット・SNSを利用する中で遭遇するトラブルについてのお話でした。今回はその後編になります。
「二つの世界」で生きている子どもたち
時代の流れとともに,子どもが住む世界も変容を見せています。子どもは現実の世界と,SNSの世界の「二つの世界」に生きていると言っても過言ではありません。ただ,SNSの世界はほとんどが「無音の文字の世界」であり,相手の気持ちを汲むことが難しくなりつつあります。
例えば,最近の若い人たちは,「ヤバい」とか,「ヤバくね?」という言葉をよく使いますが,彼らのその言葉の意味は,「すごい!」,「すごくいいよね!」というvery goodという意味に使われることが多いのです。我が息子も,おいしい=ヤバくね,とか,とってもおいしい=ヤバい,ヤバい,ヤバうまいとか訳の分からない日本語を使ったりするのです。
このように,文字だけを見ると,否定文になっていることがあり,メッセージは受け取る側によって,いくらでも内容が変わってしまうことが心配されます。これを現実の音のある世界であれば,アクセントやイントネーションによって相手に正しく理解されるのですが,子ども達の場合は,素直なので,送信者の意図と真逆な意味に受け止めてしまうことがあり,トラブルに発展していくのです。こうして考えてみると,今の子ども達は大変ですよね。精神的にも疲れてしまうのではないでしょうか。あまり,SNSの世界に振り回されることなく,楽に生きてほしいものです。そうでなくても,現実の世界は厳しいのですから。
いかがでしたでしょうか?SNSを介して大きな問題につながる可能性が高いということは,親のだれもが感じ,子ども達にも,何とかその怖さを伝えようとしていることと思われます。しかし,その中に入ってしまうと,大人でも正しい判断ができなくなるというのも,事実だと思います。
「情報モラル」については学校でも指導していきますが,各ご家庭におかれましても,機会あるごとにご指導いただければと思います。