学校日記

元警察に勤務されていた方が,警察勤務時に見た,子ども達が巻き込まれるネットトラブル【前編 1/2編】

公開日
2020/10/05
更新日
2020/10/05

校長室より

 次にあげるのは,以前は警察に勤務し,現在は少年問題に関わっている東京経営短期大学 特任准教授の上條理恵さんのお話です。
 SNSで仲間外れをされた高校生と面接をしたことがありました。部活仲間から,グループ外しに遭い,みんなから悪口を書かれていたのでした。その高校生は,その事実を後から知りショックを受けしばらく学校を休むことになりました。というのも,部活をしているときには,どの仲間ともうまくいっていると思っていたからです。ただ,些細なことがきっかけで,みんなから言葉の攻撃を受ける羽目になってしまい,一時的に人間不信に陥ってしまったのでした。悪口を書いていた子ども達からも話を聞きましたが,誰もそこまで悩んでいるとは思っておらず,誰もが軽い気持ちでやっていたと答えていたのです。中には,そんなことでいちいち警察に相談する方がおかしいとか,どこにでもよくある話だと,うそぶく声さえ聞こえました。保護者も,「そんなことはよくある話だ」と思いがちになってしまいますが,じゃあ,わが子がやられる立場にいたらどうでしょう。とても悲しい気分になってしまうことでしょう。
 かつては,ひそひそ話や影口と言われたものが,現在では当たり前になっているSNSの世界では,表に出てきて正々堂々とやり取りされているのです。しかも,かつては音声として存在していた会話が,無声の文字での会話になりました。(現実の世界からみれば,これも影口の一つかもしれませんが・・・)。ですので,SNSの登場により,何十人いても,無音の状態のまま会話が可能になったわけです。これは,想像すると,怖い状況ですよね。