学校日記

●みなさんは,どう思われますか?●「誰もが利用(参加)できるSNSの手軽さと,それによって引き起こされる重大な問題」 〜悪意なき人が「加担」〜【2/3編】

公開日
2020/07/27
更新日
2020/09/07

校長室より

 新型コロナウイルスにより,私たちの中に不安と不満と恐怖が広がっています。ウイルス以上に,心の問題が心配されています。近づいてくる人に舌打ち,お店に脅しの張り紙を貼り,店員を怒鳴りつけ,県外ナンバーの車に石をぶつけます。 このようなことをしている人々は,必ずしも日頃から乱暴な人ではありません。その人たちの動機は,しばしば家族愛や郷土愛であり,防衛本能です。何とか,自分たちを守りたいと思っています。 その結果,よそ者に対して攻撃的になります。ルール違反者に厳しくなります。県外ナンバーだけれど地元に住んでいる人もいるのですが,「疑わしきは罰せよ」です。しかもその行為は,正義の行為だと認識します。
 このような行為の背景には,政府や行政に対する不信感もあります。なぜもっと厳しく取り締まらないのか,という思いが,『自粛警察』を更に強固なものにしてしまいます。
 さらに攻撃対象は,しばしば弱者に向かいます。自分に反撃してこない,自分が法的に訴えられることはないような相手です。自分としては正義の行為ですから,攻撃してやれば,すっきりしてコロナストレスも減ることになります。 しかし,世の中全体がこんなことになれば,結局は社会全体が混乱します。ギスギスした暮らしにくい世の中になります。行き過ぎた怒りや攻撃心が間違った方向へ向かうと,人生が台無しになってしまいます。
 この様な行為が「誹謗中傷」となり,それが言葉のナイフとなって人の心を傷つけていきます。
 人は表面的に強く見えても誰しも人間である以上繊細な部分があり,第三者からの度を越した誹謗中傷には耐えられないものです。ましてや,学校や職場の身近な人からのものであれば,尚更だと思います。これは,メンタルが強い,弱いという問題では片付けられません。