●みなさんは,どう思われますか?●「誰もが利用(参加)できるSNSの手軽さと,それによって引き起こされる重大な問題」 〜悪意なき人が「加担」〜【1/3編】
- 公開日
- 2020/07/20
- 更新日
- 2020/09/07
校長室より
SNSの問題については,様々な見解が述べられています。国会でもSNSを通じた誹謗中傷への規制が検討されるようです。それらについて発言されている方々のご意見を基に,その利便性と怖さ,そして,私たち大人が注意しなければならない点について3回に分けて考えていきたいと思います。
新型コロナウイルスが猛威を振るう中,SNSやネット上でデマが横行したことは,記憶に新しいことと思います。「トイレットペーパーが不足する」という情報が広まり,全国的に品薄となる影響も出ました。トイレットペーパーの買い占めに走った人々の大半が実はデマを本気で信じていないと指摘されているそうです。にも拘わらず,なぜこのような騒動が起きたのでしょうか?
悪意なき人が「加担」
既にコロナウイルスに関連したデマは数多く観察されています。「中国からのパルプの輸入が止まってトイレットペーパーが不足する」「マスク生産のためにトイレットペーパーが不足する」というデマは,各地でトイレットペーパーの品切れを引き起こしました。
さらに,27度のお湯,酒,紅茶,にんにく,納豆,唐辛子,アオサ等でコロナウイルスが死滅するといった医学的根拠のない「願望流言」といわれるデマや,関西空港で発症した観光客が制止を振り切って逃走した,特定の宿泊施設で観光客が発症したといった「恐怖流言」,さらには「新型コロナウイルスは細菌兵器として作られた」といった特定の集団への敵意にもとづく「分裂流言」も見られました。
不安が急速に広がった背景にはSNSが大きく関係しているとのことです。
様々なデマがありますが,どのようなデマであっても悪意に基づいて拡散している人はごく少数であるそうです。それにも拘わらず,結果的にデマが広まってしまった背景には,新型コロナウイルス感染症や,それによって生じる社会状況に対する「不安」や「恐怖」があると言われています。