学校日記

自分たちの掃除分担箇所を,一生懸命にきれいにしてくれている子供たちに感謝

公開日
2020/07/03
更新日
2020/07/03

校長室より

 業間やロング昼休み,児童は一斉に校庭に飛び出していきます。小学生にとって,この時間はとても楽しみなひとときとなっています。
 しかし,あるクラスの児童数名は,その時間になると,校長室のドアをノックします。そして,「掃除に来ました!」と言って,校長室前の廊下掃除を始めます。
 校長室前の廊下は,これまで多くの方々が掃除をしてくださっていますが,「長年積み重ねられてきた」汚れを落とすことは,容易ではありません。
 私もきれいにしようと,雑巾を使って数度試みましたが,結果はあまり変わりませんでした。

 清掃の時間,担任の先生が子供たちに「廊下の汚れが取れるように,がんばってね!」と声を掛けていました。児童は雑巾を使って一生懸命がんばるのですが,染みついた汚れは,簡単には取り除けません。
 そこで,メラミンスポンジ(いわゆる「激落ちくん」)を購入していただき,彼らに配りました。その効果はてきめんで,あっという間に廊下はピカピカに。近くを通った先生たちから,「きれいになったね〜。ありがとうね!」と声を掛けられ,子供たちはとても嬉しそうでした。
 業間やロング昼休みなどの遊べる時間にも掃除に来てくれるので,「休み時間なんだから,無理しないで遊んできなよ〜」と声を掛けると「無理してませ〜ん。これが遊びで〜す!」と事もなげに答えるのです。中には,家庭からマイスポンジを持参してきている児童もいます。
 「できれば,掃除はやりたくないもの」という捉え方をする人は多いと思いますし,子供であれば尚更です。
 しかし,「掃除をすることは楽しいよ」「こんなに気持ちよくなれるよ」ということを感じながら,いやいや掃除をするのではなく,自分が心を込めて掃除をすることで,ピカピカになると,気持ちがよいだけでなく,「やったぞ」という達成感が持てるようになります。また,「偉いぞ,自分!」というように,自分で自分を褒めるということにもなるでしょう。
 家庭でも,風呂の湯舟をピカピカにすれば家族が喜んでくれますし,自分も自信が持てます。家族から「すごいね」と褒められると,掃除そのものが楽しくなっていきます。
 他の効果として,掃除にきちんと取り組むことで,整理・整頓の習慣とともに,物を大切にするという気持ちが生まれてきます。家庭科の教科書では,掃除に関することは簡単に触れられていますが,人間形成の核になる部分にもつながる大切なポイントであると思っています。

 この様に,自己肯定感・自己有用感を感じられる活動が多くの場面で展開されることで,学校経営の基本としている「お互いの存在を認め合う学校風土の醸成」に繋がっていくと考えています。