◆「子育て」を楽しむ◆ 叱るときは「かしこいじかく」で 【4/4編】 〜「怒る」と「叱る」の違い〜
- 公開日
- 2019/12/16
- 更新日
- 2019/12/16
校長室より
子どもは間違いをしながら適切に正されて育っていきます。ほめることだけでは育ちません。ほめることと叱ることのメリハリの中で育ちます。叱る基本姿勢は、相手の目をしっかりと見て、声は低くして、真剣さを伝えます。
【か】家庭の決まり・・・親子、家族で作った重要なルールを守らないとき
【し】社会の決まり・・・善悪にかかわることをしたとき
【こ】心を傷つける・・・人の心を傷つけたり、名誉を侵害したとき
【い】命にかかわる・・・他者の命に危害を加えること。もちろん、自分の命についても。
次は、叱り方のコツです。
【じ】人格は叱らず、行為を叱る・・・行為の背後にある感情は受け止めても、許されない行為は毅然として否定する。過ちは乗り越えられるから、その子の存在と人格は非難しない。
【か】簡潔に・・・そのときその場で、手短に本気で叱る。だらだらねちねちはダメ。気迫は子どもに伝わる。
【く】クールダウンして・・・かっとして怒りに身を任せると不測の事態を招きかねない上、反感だけが残る。
叱るときは、怒りで力の入ったこぶしをパッと開きます。すると、怒りが解放されます。【1/4編】にあった、小学生の詩を想い起こしてください。
「怒る」とは、怒り手の感情を外に爆発させることであり、「叱る」とは、相手によりよい方法を教示することです。「怒る」はネガティブ、「叱る」はポジティブな色味があります。
子どもの困った行動に対し、親がガミガミと感情的に怒ると、その場の雰囲気が険悪になるのはもちろんですが、ダメージはその場だけにとどまりません。
(1)トゲのある否定語が、子どもの自己肯定感や自己効力感を低下させてしまう
(2)親からその感情的な対処法を学んでしまう
という弊害も出てきます。とくに(2)は、その子どもの人間関係にまで影響を及ぼす可能性があります。例えば、親が大声で怒鳴ると、子どもは「そうか、困ったときはパパとママみたいに怒鳴ればいいんだ」と。また、親が叩くと、子どもは「そうか、困ったときはパパとママみたいに叩けばいいんだ」と学び、お友だちとの関係をはじめとする日常の対応の中で応用されやすいのです。
子どもを叱る場面というのは、親の問題解決能力を披露する場でもあります。お手本になる対処法を示していくことで、いざという時の子どもの姿に大きな変化が現れてきます。