◆「子育て」を楽しむ◆ 素直に謝らない子 〜教育評論家の先生からのアドバイス〜<前編>
- 公開日
- 2019/08/19
- 更新日
- 2019/08/26
校長室より
今日から出勤されている方も多いかと思われますが、リフレッシュすることはできましたでしょうか?「まだ、夏休みに入っていない」「夏休みなんてない!」という方もおられるかと思いますが、暑さから来る疲れは知らず知らずのうちに蓄積しがちですので、くれぐれもお体にはご留意ください。
さて、夏休みも残すところ約2週間となりました。「時が流れるのは、早いな〜」と、感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?特に子ども達はその気持ちが強いのでは・・・。
宿題はもう終わりましたでしょうか?終業式でも話したように(7月19日の「校長室より」をご覧ください)、計画的に進めることができたら、「よくがんばったね!」と誉めてあげてほしいと思います。そして、まだ終わっていない子どもには、「これから、がんばろうね!」という励ましの言葉と少しのサポートをお願いします。
ある教育評論家の先生に、年長の男の子がいる保護者から質問が寄せられました。
【質問】
自分が悪くても素直に謝りません。先日もお菓子の取り合いで妹を泣かせ、「謝りなさい」と言っても言い訳ばかりでした。それでパパに「言い訳するな!」と叱られ、一週間おやつ無しになりました。強情というか頑固というか・・・。
【先生からのアドバイス】
親にはみんな「自分の非を素直に認めて謝れる子にしたい」という気持ちがあります。それでどうするかというと、すぐに謝らない時は叱る、それでも謝らない時は罰を与える、などということになりがちです。
そして、子どもが何か話そうとすると「言い訳するな!」と門前払いして、次のようなやり取りになります。
「なんでこんなことしたの!?」
「だって……」
「だってじゃありません。言い訳しない」
「だって……」
「だってじゃない。まず謝りなさい」
「だって、ぼくが○○してたら妹が○○してきて……」
「言い訳しないって言ってるでしょ!人のせいにしないで、とにかく謝りなさい」
「なんで」と聞かれて「だって」と答えるのは、日本語としては正しいのですが、親には通用しません。子どもとしてはつらいですね。子どもにも言い分がありますし、まずはそれを聞いてほしいのです。大人である私たちが、怒り狂った上司に言い分を一切聞いてもらえないまま謝ることを強制されたらどうでしょう?とてもじゃないですが、素直にはなれません。そういう上司には不信感しか持ちません。
反対に、上司が言い分を聞いてくれたら、しかも共感的に聞いてくれたらどうでしょうか?「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じて、素直になれます。謝るべきことがあれば素直に謝れます。
子どもも同じです。「言い訳するな」などと言わないで、子どもの話をたっぷり共感的に聞いてあげてください。すると、子どもは言いたいことが全部言えてスッキリします。そして、ある特定の精神状態に至ります。
子どもは「お母さんはわかってくれた。ぼくがどんなにイヤな気持ちでいたか、お母さんはわかってくれた」「いつもお父さんはわかってくれる。私の気持ちを本当によくわかって許してくれる」と思えるようになるのです。それはつまり、親に対する信頼が非常に大きくなった状態です。
<後編>に続く