学校日記

◆「子育て」を楽しむ◆ 子どもを一人の大人として扱う〜中華料理店での一場面より〜

公開日
2019/07/08
更新日
2019/08/23

校長室より

 先日、日本女子大学で行われた講演会に参加して来ましたが、その講演会の前に、ある中華料理店に入って昼食を食べていたときのことです。
 その日は、大阪でG20サミットが開催されていました。その様子がテレビに映し出されていたのですが、それを見ていた小学校1年生くらいの女の子が、「色々な国から偉い人が日本に来てるんだよね?」と母親に話し掛けたのです。そんなに小さな子どもが関心を持つようなニュースではないと思っていた私は、一瞬その親子の方に目を向けました。すると、その子の妹と思われる更に幼い子どもも、その“会話”に加わろうとしているのです。私であったら、きっと、「そうだね」程度の対応で終わっていたと思うのですが、お母さんは「色々な国から来た人たちが、大切なことについて話し合っているんだよ。」と丁寧に説明をしていたのです。すると、その女の子は、テレビに流れている映像を見ながら、解説者の話をじっと聞き入っていました。
 その後、下の妹が飽きたのか、椅子から降りようとしたり、ちょっとしたいたずらをしたりしようとしていました。するとお母さんは、「それはマナー違反よ。そんなことをやっていると、もう、外でご飯を食べることはできないわよ。それでもいいの?」と小さな声で注意したのです。その後、その女の子は、自分の振る舞いを反省したのか、落ち着いて座っていました。そして、帰り際に店員さんに「ごちそうさまでした」とお礼を言って、仲良く3人で店を出て行きました。
 「お巡りさんに怒られるわよ」「バスの運転手さんに『降りなさい』って言われるわよ」といった様に、「○○に怒られるから止めなさい」といった注意をする大人の姿をよく見掛けます。しかし今回のように、例え小さな子どもであっても、どうしてやってはいけないのかをしっかりと伝えて注意している姿を見て、「この子達は、誰が見ていようといまいと、やってはいけない理由を理解した上で、その行為をやらない大人になっていくのだろうな・・・。」と思ったのです。
 講演会での話も大変勉強になりましたが、子どもを一人の大人として扱うという親(大人)の姿、そして、その様な環境の中で育っている子ども達に接し、色々と考えさせられた1日となりました。