最新更新日:2024/05/18
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◆「子育て」を楽しむ◆ 家庭での役割と責任について

 皆さんのご家庭では,子供に何かの役割や責任をもたせていますでしょうか?
 発達段階に応じた「家族の一員としての役割」を,ぜひ,与えてほしいと思います。

(1)子供に家庭としての仕事を持たせましょう
 子供であっても,家族の一員です。家族の一員として,その子に適した仕事を分担させましょう。
 そして,子供のうちから,協力して生活する心地よさを体験させましょう。
 小さなときに心に刻んだこの心地よさは,将来,人の役に立つことに喜びや誇りを持つ人間の姿へと繋がっていきます。
(2)親の都合で手伝わせるのはやめましょう
 子供にも子供の都合があります。
 子供の生活の中に,勉強や遊びや食事やおやつの時間があるように,決まった手伝いが位置づけられているようにしていくことがポイントです。
 位置づけられている仕事が無理なくできて,それが習慣化した状態が,「生きる力がついてきた」ということになるのではないでしょうか。
(3)報酬を与えるより感謝の言葉をかけましょう
 どんなに小さな手伝いでも,それをきちんと果たしたときは,一言「ご苦労さん」「ありがとう」と,言葉で褒めて認めることが大切です。
 お金や物を買って与えることを交換条件にするのは,子供の仕事観や金銭観をゆがめることがあるので注意しましょう。
 最後になりますが,次のことについても注意してください。
 それは,子供が何かに夢中になっている場面で,お母さんが,「〇〇ちゃん,ちょっと手伝ってちょうだい」と言ったときに,サッと来て手伝う子供は素晴らしいと考えましょう。
 また,「今,手が離せないの,ごめんなさい」と答えた子も素晴らしい子供です。大物になる素質があります。この場合は,何に夢中なのかを聞いておくことが必須条件となります。
 どちらの子供も,将来がとても楽しみです。
 ただし,ゲームに夢中は例外です。

元警察に勤務されていた方が,警察勤務時に見た,子ども達が巻き込まれるネットトラブル【後編】

 前編では,青少年がネット・SNSを利用する中で遭遇するトラブルについてのお話でした。今回はその後編になります。

 「二つの世界」で生きている子どもたち
 時代の流れとともに,子どもが住む世界も変容を見せています。子どもは現実の世界と,SNSの世界の「二つの世界」に生きていると言っても過言ではありません。ただ,SNSの世界はほとんどが「無音の文字の世界」であり,相手の気持ちを汲むことが難しくなりつつあります。
 例えば,最近の若い人たちは,「ヤバい」とか,「ヤバくね?」という言葉をよく使いますが,彼らのその言葉の意味は,「すごい!」,「すごくいいよね!」というvery goodという意味に使われることが多いのです。我が息子も,おいしい=ヤバくね,とか,とってもおいしい=ヤバい,ヤバい,ヤバうまいとか訳の分からない日本語を使ったりするのです。
 このように,文字だけを見ると,否定文になっていることがあり,メッセージは受け取る側によって,いくらでも内容が変わってしまうことが心配されます。これを現実の音のある世界であれば,アクセントやイントネーションによって相手に正しく理解されるのですが,子ども達の場合は,素直なので,送信者の意図と真逆な意味に受け止めてしまうことがあり,トラブルに発展していくのです。こうして考えてみると,今の子ども達は大変ですよね。精神的にも疲れてしまうのではないでしょうか。あまり,SNSの世界に振り回されることなく,楽に生きてほしいものです。そうでなくても,現実の世界は厳しいのですから。

 いかがでしたでしょうか?SNSを介して大きな問題につながる可能性が高いということは,親のだれもが感じ,子ども達にも,何とかその怖さを伝えようとしていることと思われます。しかし,その中に入ってしまうと,大人でも正しい判断ができなくなるというのも,事実だと思います。
 「情報モラル」については学校でも指導していきますが,各ご家庭におかれましても,機会あるごとにご指導いただければと思います。

6年生に感謝していること そして 期待していること

 清掃や挨拶等,ボランティア活動をしてくれている6年生。最高学年としてがんばってくれている,その一つ一つの取組に対してとても感謝しています。
 今年度は,最高学年として,1年生から5年生たちの先頭に立って活動することがなかなかできません。特に,1年生との兄弟・姉妹活動がほとんどできていないことを,6年生はとても残念に感じていると思います。
 本日の第5時間目,6年生の学年集会が開催されました。その冒頭に,「6年生に期待すること」について話す時間をいただきました。児童の前で話すのは久々でしたが,6年生たちは,こちらを向いて一生懸命に話を聞いてくれました。

 6年生に期待することは,「小学校の最高学年として,『今,自分に何ができるのか』ということを意識しながら,生活してほしい。」ということです。ただ,それは,「下級生にとっての手本となるように」ということを言っているのではありません。もちろん,それも大切なことですが,「来年から中学生になる自分,また,将来の自分にとって,今,何をどうすることが大切なのか」ということを考えた言動をとってほしいということです。
 世の中には,勉強をしたくても,戦争などによって国が落ち着いていなかったり,日々の生活をするためのお金を稼ぐために,学校に通うことができなかったりしている子供たちがたくさんいます。また,これまで日本でも,台風や地震等の被害によって,学校に行きたくても行けなかった子供がたくさんいたことも事実です。
 今年度は,運動会や修学旅行が中止になったり,授業でも,これまでは当たり前のようにしていたグループ活動や活発な意見交換(発表)ができなかったりと,本当にマイナス面ばかり考えていると,毎日がとてもつまらなくなってしまうと思います。しかし,「勉強ができてよかった」「友達と会えてよかった」「友達と話したり,遊んだりできてよかった」「先生の授業が受けられてよかった」等々,よかったこと,つまり,プラス面について考えてみると,たくさんのことが思い浮かんでくると思います。
 この様な状況下だからこそ,普段はあまり考えなかった「ちょっとしたこと」の大切さをプラス面として捉えてほしいと思っています。
 自分のために,朝の「おはようございます」の挨拶,授業,掃除といった一つ一つの活動を一生懸命にやることが,最終的には,「1年生から5年生にとっての手本となる」ということにつながります。
 これまでの様々な活動に感謝しながら,これからの貴重な小学校生活の日々を,大切に過ごしてほしいと思います。

元警察に勤務されていた方が,警察勤務時に見た,子ども達が巻き込まれるネットトラブル【前編 2/2編】

 いじめをする理由,それは「いじめられたくないから」だと私は考えます。子ども達も自分がターゲットになるのを恐れ,「寄らば大樹の陰」と言わんばかりに加害者側に付いていきます。それが子どもにとって自分の身を守るための一番安全なポジションだからです。
 皆さんもLINEのグループを利用している方が多いと思いますが,子ども達の加入の数をみてみますと,だいたい6〜10グループが多いように感じます。中には20以上のグループに加入している子ども達もいましたが,よく考えてみますと,子ども達は断り切れずに加入せざるを得ない状態もあるのでは?と思います。
 断ったりすれば仲間外れになってしまい,いじめの対象になってしまう恐れがあるからです。ただ,一度グループに入ると,「○○がグループから退出しました」というメッセージが表示されてしまうので,抜けたくても抜けられず「ちょっと面倒くさいかも」と感じている子ども達の声もすくなくないようです。グループラインで仲間外れにされたり,嫌がらせを受けたりする子どももいて,とっても便利な機能ですが,あればあったで子ども達も苦労しているのかも?と思ってしまいます。

元警察に勤務されていた方が,警察勤務時に見た,子ども達が巻き込まれるネットトラブル【前編 1/2編】

 次にあげるのは,以前は警察に勤務し,現在は少年問題に関わっている東京経営短期大学 特任准教授の上條理恵さんのお話です。
 SNSで仲間外れをされた高校生と面接をしたことがありました。部活仲間から,グループ外しに遭い,みんなから悪口を書かれていたのでした。その高校生は,その事実を後から知りショックを受けしばらく学校を休むことになりました。というのも,部活をしているときには,どの仲間ともうまくいっていると思っていたからです。ただ,些細なことがきっかけで,みんなから言葉の攻撃を受ける羽目になってしまい,一時的に人間不信に陥ってしまったのでした。悪口を書いていた子ども達からも話を聞きましたが,誰もそこまで悩んでいるとは思っておらず,誰もが軽い気持ちでやっていたと答えていたのです。中には,そんなことでいちいち警察に相談する方がおかしいとか,どこにでもよくある話だと,うそぶく声さえ聞こえました。保護者も,「そんなことはよくある話だ」と思いがちになってしまいますが,じゃあ,わが子がやられる立場にいたらどうでしょう。とても悲しい気分になってしまうことでしょう。
 かつては,ひそひそ話や影口と言われたものが,現在では当たり前になっているSNSの世界では,表に出てきて正々堂々とやり取りされているのです。しかも,かつては音声として存在していた会話が,無声の文字での会話になりました。(現実の世界からみれば,これも影口の一つかもしれませんが・・・)。ですので,SNSの登場により,何十人いても,無音の状態のまま会話が可能になったわけです。これは,想像すると,怖い状況ですよね。

中学生による火遊びで工場が全焼 保護者が補償?

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが,今年度,愛知県で工場などが全焼した火災が起こりましたが,中学生による火遊びが原因とみられるとのことです。中学生は噴射した殺虫剤に火を付け,火炎放射器のようにしていたようです。
 現場は,繊維を染める工場。けが人はいなかったものの,工場と倉庫が全焼しました。  
 火元は屋外に置かれた「パレット」とみられますが一見,火の気はなさそうです。ただ,「驚くべき原因」が明らかになりました。近くに住む中学生の男子生徒2人が「火遊び」をしたというのです。2人はパレットにできたハチの巣に注目。殺虫剤を用意し,噴霧しました。この時,スプレーの霧に火を付けたといいます。  
 スプレーを使った実験では,ろうそくの火で簡単に火が付き,延焼したそうです。これが少年らの前でも起きたのでしょうか・・・。  
 もう一つ気になるのは「補償問題」です。専門家によりますと,保険に入っていれば火遊びが原因でも建て替えなどの費用は出るといいます。しかし・・・。  
 ある弁護士によりますと,「保険金では損害をすべて賄うのは難しいという例の方が多い。また,営業ができなくなることによる損害は保険に含まれないケースが多い」とのことです。「放火(失火)の因果関係が認められれば『損害賠償を保護者らに請求』ということは可能になる」とも。「お子様には,特に火遊びをしないよう十分注意しておくことが必要」と話されています。 
 それ以外にも気になることがあります。鎌ケ谷市は市内を多くの電車が通っているため,とても交通の便がよい環境の中にあります。その分,学校だより等でも注意を呼び掛けていますが,公共交通機関への妨害行為が心配されます。その中でも特に心配されるのが,「置石」です。ちょっとしたいたずら心で「つい・・・」ということだとは思われますが,大事故につながる可能性は非常に大きいです。
 子供たちには学校でも指導いたしますが,火遊びと合わせて,その様な行為は絶対に行わないように常日頃より,お子様にご指導いただければと思います。

重要 ◆本校における「学校選択制に係る学校参観」の実施について◆

 本校では,10月2日(金曜日),5日(月曜日),6日(火曜日)の3日間実施する予定です。時間帯は9:00〜12:00になります。参観を希望される方は,事前に学校までご連絡ください。
 新型コロナウイルス感染症防止対策の関係で,密の状況を避ける,および,来校者を確実に把握するために,どなたがいつ参観されるのかについて,事前に確認させていただきたいと考えております。なお,参観者数等の関係で,ご希望の日時に参観できない場合もございますことを,ご了承ください。
 以上になりますが,よろしくお願いいたします。  
<連絡先>047−443−2410(北部小学校)
                 担当者:教頭

「丸つけ」が家庭での学習効果を高める! 丸つけができる子,できない子【3/3】

◆「できない問題」こそ,大切に◆
 ×がついた問題はだれでもいい気分ではありません。しかし,「できない問題」をできるように努力することは,勉強に限らず様々な場面で子供の力となってくれます。
 「“できない問題”こそ成長のチャンス!」と思って積極的に取り組めるように,ご家庭でのポジティブな声かけが重要になってきます。
<声かけの例>
●「この問題ができたらすごいってことだよ!」
●「できない問題があったなら,この課題はやった意味があったね!」
●「次のチャレンジでこの問題ができたら,成長してるってことだね!」
 できないことを悪とするのではなく,できるようになるためのファーストステップであると伝えてあげることで,取り組む子供の気持ちは上向きになります。
 もちろん,〇×といった記号に限らず,間違えた問題に★をつける,間違えた問題にふせんを貼る,などの方法も有効です。特に,学齢が小さい子供ほど,〇がつけばうれしいですし,×がつくと悲しい気持ちになる場合が多いです。そこで,正解した問題には〇,間違った問題には★をつける(または,わかるようにシールを貼る)など,繰り返し取り組みたくなるような工夫で丸つけをルール化するのも効果的な手法です。
<まとめ>
 「丸つけ」と聞くととても些細なことだと思われがちですが,課題を見分ける力や,課題に取り組む力を養う,大切な役割を果たしています。できなかったことができるようになる達成感や成長の実感のきっかけは,実は身近なところにあるのだ,ということを子供にも感じてもらえればと思っています。

来週の月曜日(21日)は敬老の日です!〜祖父母を敬う心を育てていきましょう〜

 皆さんのご家庭では,お爺ちゃんやお婆ちゃんが同居されていますでしょうか?
 現在,私は妻と娘の3人で暮らしていますが,娘が中学校に入るまでは,祖父母(私の両親)と叔母(私の妹)とともに6人で生活していました。妻方の祖父母も近くに住んでいたため,よく遊びに行っていました。大人と関わる機会が多かった娘は,その環境の中で育ちながら,自然と多くのことを学んだのではないかと思われます。
 どこのご家庭でも同様だとは思いますが,孫である娘は,どちらの(祖父母の)家に行っても,大切にされました。その中から,祖父母の存在のありがたさや大切さを学んだのではないかとも思っています。
 私たちが心掛けたいこと,それは,祖父母(自分たちの両親),曾祖父母などに対して,敬いの心を持って接していくことだと思っています。祖父母を敬っている自分の親の姿を見て,子供はその姿を当たり前と思うようになります。その子が大人になったとき,自分の子供にも,同じ姿を見せるに違いありません。この連続こそが家族の絆を支えていくのだと思います。
 来週の月曜日(21日)は敬老の日です。このご時世のため,例年のように,直接会いに行ったり,食事を共にしたりすることは難しいのかもしれません。何かプレゼントをすることも一案ですが,お金をかけなくても,電話やメール,または,お手紙で,最近の様子を聞いたり,近況報告をしたりするなど,感謝の気持ちを込めた心の交流をしていけたらよいのではないでしょうか。
 また,翌日の22日(火曜日)は秋分の日です。この祝日は,「祖先を敬い,亡くなった人々をしのぶ」ための日とされています。お墓参りに行ってくることも,同様に大切な機会であると思っています。

「丸つけ」が家庭での学習効果を高める! 丸つけができる子,できない子【2/3】

◆「丸つけをしない」子どもの心理とは?◆
 「できない問題」を見つけるための仕分けとして,丸つけに重要な役割があるのですが,ではなぜ“丸つけができない子”は丸つけをしないのでしょうか?
 “丸つけができない”“丸つけをしない”を,以下のチェック事項に当てはめて考えてみてください。

 ●(自分で)丸つけをやらない
 ●丸つけを後回しにしている
 ●数〜数十ページ解いた後,まとめて丸つけをしている
 ●丸つけに間違いが多い

 上記のような丸つけの状況は,特に,学校の課題が増え自分で学習を進めるようになる小学校高学年〜中学生の子供に多いかと思います。
 “丸つけができない”子供は「課題を終わらせること」つまり,解答欄を埋めることが主目標になってしまい,「できない問題をできるようにする」ということまで意識できていないのです。もちろん,問題を解いた後にもう一つ作業がある…という億劫(おっくう)さも手伝っていると思われます。しかし,先ほどのチェック事項は,以下の点が共通しています。 それは,「正解かどうかは二の次で,課題を終わらせることに終始してしまっている」という点です。つまり,丸つけをしない・丸つけができない子は,そもそも「『できない問題をできるようにする』ことが『勉強』なのだ」,という根本の意義に気付けずにいる場合があるのです。

「丸つけ」が家庭での学習効果を高める! 丸つけができる子,できない子【1/3編】

 休校期間を受け,例年以上に家庭学習の時間が増えた2020年前半。
「学習内容がきちんと身についているのだろうか…」といった,学習へのお悩みを抱えているご家庭も多いのではないでしょうか。
 学校においても,子供たちの理解度を確かめながら授業を進めておりますが,やはり,授業と(宿題を含めた)家庭学習とのつながりには,切っても切れないものがあります。  
 そこで今回は,家庭での学習効果を高める「丸つけ」について,3回に分けてお伝えさせていただきたいと思います。
【この話における3つのポイント】
 (1)「勉強」とは「できない問題ができるようになること」
 (2)丸つけをしない」子どもの心理とは?
 (3)「できない問題」こそ,大切に

◆「勉強」とは「できない問題ができるようになること」◆
 丸つけのできる子,できない子の具体的な話の前に,そもそも「勉強とは何か?」という部分について確認したいと思います。
 表題にも書きましたが,「勉強」とは「できない問題ができるようになること」を指します。つまり,「できる問題」を解くだけでは「できない→できる」に変化した問題が増えていない,という点で「勉強」にはなっていないことになります。しかし,どんなに素晴らしい参考書や問題集であっても,自分ができない問題・自分の弱点に合わせた問題だけが掲載されているわけではありません。
 「できない問題ができるようになる」=(つまり)「勉強」を始める前に必要なことがあります。
 それは・・・
・課題や問題集にある問題を,「できる問題」と「できない問題」に仕分けることです。
 そうすることにより,これから学習すべき問題だけが掲載されたオリジナルの問題集ができあがっていきます。この仕分けこそが,丸つけの大きな意義となります。

「腕を広げた長さ=身長」って本当? 小学校5年生が「解明」

 「腕を広げた長さと身長は同じ」ってホント?
 そんな疑問を探究した熊本県天草市の小学生2人の研究が,国内外から1万点を超える応募があった昨年度の自由研究作品コンクールで入賞したという記事をインターネットのニュースで知りました。
 素朴な疑問の探究に取り組んだのは,同市立本渡北小学校5年生の女児2人。研究テーマは「縦横ぴったり人間は誰だ!〜身長と腕を広げた長さを比べよう〜」。
 それが本当か,年代で違いがあるかなどについて,乳幼児から60歳まで141人からデータを取って分析。その結果,年代別では,園児は身長の方が腕を広げた長さより長いが,大人になるほど,腕を広げた長さの方が長くなることがわかったとのことです。
 この研究結果を,一般財団法人理数教育研究所が全国の小中高生から募った「算数・数学の自由研究作品コンクール」に応募し,審査委員特別賞を受賞しました。日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学を用いて探究し,リポートの内容を競うこのコンクールには,国内外から1万7821点の応募があり,14点が入賞したそうです。
 2人は,小学校で行われた児童集会で,全校児童の前で研究内容を発表。発表後,「調べるのは大変だったけど,全国までいけてよかったです」などと話していたそうです。
 この話は,ちょっとしたことがきっかけとなり,研究に発展したという例です。普段から,「それは本当なの?」「どうして?」などと疑問に感じたことを,そのままにせず,確かめようとする興味・関心(好奇心)と,その気持ちを認めてあげる(背中を押してあげる)環境が,未来のノーベル賞受賞者をつくりだすのかもしれません。
 残念ながら,今年度は新型コロナウイルス感染症防止対策の関係で,科学工夫作品展が中止となってしまいました。毎年,この作品展を楽しみにしていた児童や保護者の方も少なくなかったと思います。
 来年の科学工夫作品展では,普段の生活の中から生まれた疑問を解決しようとチャレンジする児童がでてきてくれることを,楽しみにしています。
 今年の夏休みは例年と比べると短くなりますが,その中で,様々な貴重な体験をしてほしいと願っています。

●みなさんは,どう思われますか?●「誰もが利用(参加)できるSNSの手軽さと,それによって引き起こされる重大な問題」 〜悪意なき人が「加担」〜【3/3編】

 昨年度,「校長室から」の中で, 以下の点について述べました。
 「この情報化社会において,『インターネットに接続できる機器を使用させない』ということは不可能です。『スマートフォンやサイト自体が悪いわけではない』ということは,皆さんもご承知のとおりです。それをどう使うのかは,私たち自身の問題なのです。子どもたちはもちろんのこと,大人も同様に,正しい利用法で楽しく使うことが重要です。」

 現在,世の中で起こっていることは,学校現場においても注意しなければならないと考えています。
 初めのうちは,からかいを含めた何気ないちょっとした軽い気持ちでの言動であったことが,次第に,相手に対しての誹謗中傷に発展してしまうということは容易に想像がつきます。それにより相手に悲しみや苦しみを与えることで相手が悩んでしまい,そこから立ち上がれなくなってしまう。その結果,最悪の結末も考えられます。
 「いつも言っているから,うちの子供は大丈夫!」というご家庭がほとんどであると思います。しかし,子供たちから「分かってる!」と煙たがられたとしても,繰り返し伝えていくことがとても大切です。
 子供たちが,加害者にも被害者にもならないように見守っていくことが,私たち大人の役目であると思います。そして,私たち大人自身も,子供たち以上に気を付けていかなければならないことであると思っています。

●みなさんは,どう思われますか?●「誰もが利用(参加)できるSNSの手軽さと,それによって引き起こされる重大な問題」 〜悪意なき人が「加担」〜【2/3編】

 新型コロナウイルスにより,私たちの中に不安と不満と恐怖が広がっています。ウイルス以上に,心の問題が心配されています。近づいてくる人に舌打ち,お店に脅しの張り紙を貼り,店員を怒鳴りつけ,県外ナンバーの車に石をぶつけます。 このようなことをしている人々は,必ずしも日頃から乱暴な人ではありません。その人たちの動機は,しばしば家族愛や郷土愛であり,防衛本能です。何とか,自分たちを守りたいと思っています。 その結果,よそ者に対して攻撃的になります。ルール違反者に厳しくなります。県外ナンバーだけれど地元に住んでいる人もいるのですが,「疑わしきは罰せよ」です。しかもその行為は,正義の行為だと認識します。
 このような行為の背景には,政府や行政に対する不信感もあります。なぜもっと厳しく取り締まらないのか,という思いが,『自粛警察』を更に強固なものにしてしまいます。
 さらに攻撃対象は,しばしば弱者に向かいます。自分に反撃してこない,自分が法的に訴えられることはないような相手です。自分としては正義の行為ですから,攻撃してやれば,すっきりしてコロナストレスも減ることになります。 しかし,世の中全体がこんなことになれば,結局は社会全体が混乱します。ギスギスした暮らしにくい世の中になります。行き過ぎた怒りや攻撃心が間違った方向へ向かうと,人生が台無しになってしまいます。
 この様な行為が「誹謗中傷」となり,それが言葉のナイフとなって人の心を傷つけていきます。
 人は表面的に強く見えても誰しも人間である以上繊細な部分があり,第三者からの度を越した誹謗中傷には耐えられないものです。ましてや,学校や職場の身近な人からのものであれば,尚更だと思います。これは,メンタルが強い,弱いという問題では片付けられません。

●みなさんは,どう思われますか?●「誰もが利用(参加)できるSNSの手軽さと,それによって引き起こされる重大な問題」 〜悪意なき人が「加担」〜【1/3編】

 SNSの問題については,様々な見解が述べられています。国会でもSNSを通じた誹謗中傷への規制が検討されるようです。それらについて発言されている方々のご意見を基に,その利便性と怖さ,そして,私たち大人が注意しなければならない点について3回に分けて考えていきたいと思います。
 新型コロナウイルスが猛威を振るう中,SNSやネット上でデマが横行したことは,記憶に新しいことと思います。「トイレットペーパーが不足する」という情報が広まり,全国的に品薄となる影響も出ました。トイレットペーパーの買い占めに走った人々の大半が実はデマを本気で信じていないと指摘されているそうです。にも拘わらず,なぜこのような騒動が起きたのでしょうか? 
 悪意なき人が「加担」
 既にコロナウイルスに関連したデマは数多く観察されています。「中国からのパルプの輸入が止まってトイレットペーパーが不足する」「マスク生産のためにトイレットペーパーが不足する」というデマは,各地でトイレットペーパーの品切れを引き起こしました。
 さらに,27度のお湯,酒,紅茶,にんにく,納豆,唐辛子,アオサ等でコロナウイルスが死滅するといった医学的根拠のない「願望流言」といわれるデマや,関西空港で発症した観光客が制止を振り切って逃走した,特定の宿泊施設で観光客が発症したといった「恐怖流言」,さらには「新型コロナウイルスは細菌兵器として作られた」といった特定の集団への敵意にもとづく「分裂流言」も見られました。
 不安が急速に広がった背景にはSNSが大きく関係しているとのことです。
 様々なデマがありますが,どのようなデマであっても悪意に基づいて拡散している人はごく少数であるそうです。それにも拘わらず,結果的にデマが広まってしまった背景には,新型コロナウイルス感染症や,それによって生じる社会状況に対する「不安」や「恐怖」があると言われています。

◆子育てを楽しむ◆ 「やればできるんだから」と子供に言っていませんか?

 「やればできる子なんです!」

 この言葉は,子どもの存在能力を認め,「(今はできないかもしれないけれど)がんばってやれば,できるようになるよ!」という,親として最大限の励ましの気持ちを込めた一言だと思います。しかし,この言葉は時として,子供にやる気や自信をなくさせることにつながる可能性を秘めています。
 なぜだと思いますか?

 その理由は2つあります。
 1つ目は,子供はその気になってやろうとしたのですが,できなかったことから,失望感をもってしまい,その後,「自分は,やってもできないんだ」といったセルフイメージが強固なものになってしまうかもしれません。
 2つ目は,「自分はできる」という“可能性”のまま,そのまま「やらない状態でいたくなる」ということも少なくありません。それは,もしもやって失敗したとしたら,大好きなお母さんやお父さんの期待を裏切ってしまうといった恐怖が生まれるかもしれないからです。そうなるのだったら,「今の状態のままでいる」ことが,一番心地よいという結論になるからです。

 以上のように,この言葉は,この2つの問題を秘めています。
 時と場合によっては,「やればできる」と可能性の言葉をかけてあげることも必要かもしれませんが,少しでもがんばっている努力を認めてあげることが子供のやる気や自信につながると考えています。
 このことは,お子様の性格によっても異なると思いますので,それらを考慮した上での言葉がけや励ましをしていただければと思います。

自分たちの掃除分担箇所を,一生懸命にきれいにしてくれている子供たちに感謝

 業間やロング昼休み,児童は一斉に校庭に飛び出していきます。小学生にとって,この時間はとても楽しみなひとときとなっています。
 しかし,あるクラスの児童数名は,その時間になると,校長室のドアをノックします。そして,「掃除に来ました!」と言って,校長室前の廊下掃除を始めます。
 校長室前の廊下は,これまで多くの方々が掃除をしてくださっていますが,「長年積み重ねられてきた」汚れを落とすことは,容易ではありません。
 私もきれいにしようと,雑巾を使って数度試みましたが,結果はあまり変わりませんでした。

 清掃の時間,担任の先生が子供たちに「廊下の汚れが取れるように,がんばってね!」と声を掛けていました。児童は雑巾を使って一生懸命がんばるのですが,染みついた汚れは,簡単には取り除けません。
 そこで,メラミンスポンジ(いわゆる「激落ちくん」)を購入していただき,彼らに配りました。その効果はてきめんで,あっという間に廊下はピカピカに。近くを通った先生たちから,「きれいになったね〜。ありがとうね!」と声を掛けられ,子供たちはとても嬉しそうでした。
 業間やロング昼休みなどの遊べる時間にも掃除に来てくれるので,「休み時間なんだから,無理しないで遊んできなよ〜」と声を掛けると「無理してませ〜ん。これが遊びで〜す!」と事もなげに答えるのです。中には,家庭からマイスポンジを持参してきている児童もいます。
 「できれば,掃除はやりたくないもの」という捉え方をする人は多いと思いますし,子供であれば尚更です。
 しかし,「掃除をすることは楽しいよ」「こんなに気持ちよくなれるよ」ということを感じながら,いやいや掃除をするのではなく,自分が心を込めて掃除をすることで,ピカピカになると,気持ちがよいだけでなく,「やったぞ」という達成感が持てるようになります。また,「偉いぞ,自分!」というように,自分で自分を褒めるということにもなるでしょう。
 家庭でも,風呂の湯舟をピカピカにすれば家族が喜んでくれますし,自分も自信が持てます。家族から「すごいね」と褒められると,掃除そのものが楽しくなっていきます。
 他の効果として,掃除にきちんと取り組むことで,整理・整頓の習慣とともに,物を大切にするという気持ちが生まれてきます。家庭科の教科書では,掃除に関することは簡単に触れられていますが,人間形成の核になる部分にもつながる大切なポイントであると思っています。

 この様に,自己肯定感・自己有用感を感じられる活動が多くの場面で展開されることで,学校経営の基本としている「お互いの存在を認め合う学校風土の醸成」に繋がっていくと考えています。

◆子育てを楽しむ◆ お母さんがイライラしなくなる子育て法とは?〜小学生であれば,チャレンジしてみる価値あり!【3/3編】

しかり方のコツ(3)「短くシンプルに」
 しかるときは,最小限の言葉と時間で,短くシンプルにしかりましょう。イライラしやすいお母さんは,延々としかっていることがあります。最初は片づけをしないことをしかったつもりでも,「これ何回目?」「なんでわからないの?」「これも使っちゃダメって言ったじゃない」「その服どこで汚したの?」「明日の準備終わってる?」と,気づかないうちにどんどん別のことを追加しているなんてことも…。あれこれ言っても子供の耳には入っていないので,しかるときはポイントをしぼるようにしましょう。

しかり方のコツ(4)「その場でしかる」
 「あと10分だけよ」と言ったのに,20分,30分,1時間と遊び続ける息子に悩まされたことのあるお母さんも多いでしょう。2〜3歳ごろは「今がすべて」で,なかなか時間の概念を理解することができません。だから,しかるときも,「もしかして昨日もこうだった?」「明日はちゃんとしてね」と言ってもほとんど意味がありません。しかるのであれば,しかるタイミングがあったその場だけ。それ以外のときにしかっても,お母さんの労力を無駄に消費してしまいます。

しかり方のコツ(5)「しかり顔をつくる」
 小さい頃は,まだ言葉の意味をちゃんと理解できてはいません。その代わり,お母さんがしかるときの表情をじっと見ています。これから真面目にしかろうとするときに,子供がふざけて,お母さんもそれにつられてつい表情が緩んでしまうこともあると思います。しかし,子供はその変化を見逃さないので,お母さんが真面目にしかっても「お母さんは笑ってる」と思ってメッセージが伝わりません。しかるときの顔づくりも意識してみてください。

 3回にわたって,「お母さんがイライラしなくなる子育て法」についてのお話をしてきました。この話は,お子様が小学生であったとしても,その発達段階に応じて工夫することで,まだまだ参考になる部分があると思います。親子関係が築けているのであれば,「しかり顔をつくる」もそうですが,「困った(悲しそうな)顔をする」という方法も,十分効果的であると思います。ぜひ,チャレンジしてみてください!

◆子育てを楽しむ◆ お母さんがイライラしなくなる子育て法とは?〜小学生であれば,チャレンジしてみる価値あり!【2/3編】

 しかり方のコツ(1)「お母さんのルールや約束ごとを減らす」
 子供との間で,ルールや約束ごとを決めているお母さんは多いと思います。
「9時までに寝る」
「遊ぶのは歯磨きが終わってから」
「出したおもちゃは片づける」
 どれも,ちゃんとしたルールや約束ごとのように聞こえますが,実はその約束をしたと思っているのは,お母さんだけなんです。自分の好きなように生きている2〜3歳ごろは,約束してその場で「わかった」と言ったとしても理解していないことが多いです。ルールや約束は破られて当然なので,子供とのルールや約束ごとが多いお母さんほど,「何度言ったらわかるの!」とイライラしてしまいます。
 だからまずは,ルールや約束ごとを減らすようにしてください。ゼロにするくらいでもいいです。そして今度は,簡単な約束から始めましょう。「9時までに寝る」というのは,言葉では簡単ですが,それまでにごはんや歯磨きやおふろをすべてクリアしないといけないので,実は難易度の高い約束です。最初は「外に出るときは靴を履く」くらい簡単なものにしましょう。

 しかり方のコツ(2)「しかるラインを決めておく」
 服を着替えない,物を片づけない,所かまわず汚す,などなど…。子供の行動をちゃんとさせようと思うと,ずーっとしかり続ける状態になってしまうことも。これでは疲れてしまいます。そこで,お母さん自身が「ここまではしからない」「ここからはしかる」といったラインを決めておきましょう。
 「自分や他人が大きなけがをするおそれがあるとき」
 「3回注意しても同じことをしているとき」
といったように明確に決めておくと,子供もだんだんとそのルールを理解するようになります。
 ※小さい子供への関わり方について語られていることなので、小学生には当てはまらない表現があることはご承知おきください。
 
 次回は最終回になりますが,しかり方のコツ(3)「短くシンプルに」,(4)「その場でしかる」,そして(5)「しかり顔をつくる」です。

◆子育てを楽しむ◆ お母さんがイライラしなくなる子育て法とは?〜小学生であれば,チャレンジしてみる価値あり!〜【1/3編】

 「あー,またやった!」「何回言ったらわかるの!」「早く準備して!」。
 小さなお子様を持つお母さんが,子育てをしていて,イライラしてしまうということは少なくないと思います。でも無理にイライラをがまんすると,今度はそのストレスがたまってしまいますし,いったいどうすればよいのでしょうか…。
 お母さんが少しでもイライラしなくなる,そして子供にもストレスが少ない「しかり方」はあるのでしょうか。
 父親であり保育士のキャリアも持つある大学の先生が,「しかり方」のコツとポイントを紹介していたので,今日から3回に分けてお伝えしたいと思います。

 「しかる」が成立する3つの条件とは?
 しかるとき,ただ大きな声を出して,怒鳴ってはいませんか?
 実は「しかる」には,それが成立するための条件があります。言い換えれば,その条件がそろっていなければ,しかることにもなっていない,ただ怒りの感情をぶちまけるだけの行為になってしまいます。「しかる」条件とは,次の3つです。

(1)メッセージがあること
 しかるときには,「それをしたら危ないよ」「今は静かにしないといけないよ」「ちゃんと食べようね」といったメッセージがあるはずです。イライラした感情を爆発させる行為は,「怒り」です。怒りにメッセージはありません。
(2)関係性があること
 メッセージは関係性がないと伝わりません。大人だって,会社の他部署の人から注意されても「なんであなたに言われないといけないの?」と思いますよね。それは関係性がないからです。普段の生活の中で,親子の関係性を築くようにしましょう。
(3)ゴール設定があること
 ゴール設定がないままでは,また同じことのくり返しです。「静かにしてくれてありがとう」「ちゃんと食べてえらいね」といった言葉をかけることで,子供の行動の変化,成長につながります。

 次回は,しかり方のコツ(1)「お母さんのルールや約束ごとを減らす」と(2)「しかるラインを決めておく」についてです。
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