最新更新日:2024/05/14
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◆「子育て」を楽しむ◆                     叱るときは「かしこいじかく」で 【2/4編】〜体罰に拠らない子育て(1)〜

 子どもの過ちに対して、親としてどのようなことに留意し、どのように適切に叱責、叱正をしたらよいのでしょうか。ここでは、体罰に拠らない子どもとの関わりを可能にする要点を4つにまとめてみます。
(1)怒る感情について知る
 怒りの感情はだれでも持っていますが、出し方に工夫が必要になります。その一つのカギは、「真剣さを伝える」ことです。ロボットの開発が進むことにより、様々な面において人間に近づき、ロボットから「ソウイウコトハイケマセン ニンゲントシテ ユルサレナイコトデス」と叱られたとき、子どもは心からいけないことをしたと思うでしょうか?やはり、生身の人間が目の前にいて、残念そうな眼差しを向け、悲しそうな表情としぐさの中から発する言葉に心は動かされると思うのです。
(2)体罰の怖さについて知る
 ある研究によると、子ども時代に体罰を受けた人の脳は、体罰を受けていない人の脳に比べ、感情や思考をコントロールする前頭前野の容積が平均19.1%少なく、萎縮もしていたそうです。体罰は子どもに恐怖心を与え、その行動を左右させます。その一方で、脳は体罰によって言うことを聞かせると、心地よさを獲得するとのことです。これは、依存の性質ですから、繰り返されてしまいます。

 次回は、体罰に拠らない子育ての2回目になりますが、主な内容は、(3)共感と「伝感」を大切に (4)正しい理屈で追い詰めない です。

◆「子育て」を楽しむ◆                叱るときは「かしこいじかく」で 【1/4編】            〜手は心〜

 子どもを叱るには知恵が必要です。反省することが多い自分の子育てを振り返っても、本当にそう思います。
 叱る行為は、やり方によっては叱られる側に「自分はダメな人間」との否定感をいだかせ、ものごとに取り組む意欲を奪いかねません。だからといって、目前にその子の成長すべき課題があるのに何もしないのでは、育つ機会は失われてしまいます。
 叱るときには、要点の頭文字をとって作った「かしこいじかく」を参考にしていただければと思っています。これについては、【4/4編】の中で、詳しくお話しします。

 心と体は密接です。感情は動作・行動に表れます。緊張や怒りはグーのこぶしになり、パーに開くと心は解き放たれます。
 これを示唆する「手」という題の詩があります。小学校6年生の男児が作ったものです。

手は不思議
にぎりしめれば
かたいこぶし
開けばやさしくなる
手をにぎりしめれば
心はかたくちぢこまる
手を開けば
心も開く
手は心

 この詩は、怒りとその対応について、私たち大人にヒントを与えてくれます。

 次回のテーマは、「体罰に拠らない子育て」です。

ある女子児童の「解答」から学ぶこと

 「駅まで家から30分かかります。8時50分に駅に着くには、家を何時何分に出たらよいでしょう。」
 これは、実際に出題された、小学校2年生の算数の問題だそうです。SNSでも話題になっていたので、ご存じの方も多いかもしれません。
 この問題の「正解」は、「8時20分に家を出ればよい」となります。
 しかし、ある女子児童は「8時15分に出る」と答えました。その児童は、決して計算を間違えたのではなく、「ある理由」からこの答えを導き出したのですが、果たして、その「理由」とは・・・。
 「8時20分だとぎりぎりになってしまい、焦ると危険だから」ということでした。つまり、5分前に行動することで、遅刻を含めた様々なリスクを軽減できるという考え方です。
 この解答に対して、その子の父親は、「算数の答えとしての5分前行動はダメ。でも、我が家では正解!」と褒めたそうです。
 この子の家庭における日頃の躾の成果が生み出した素晴らしい「解答」だと思います。
 ともすれば、「何をやっているんだ!?」と怒ってしまう可能性もあったと思いますが、この子の解答を「我が家では正解」と褒めてあげたお父さんの対応は「あっぱれ」です。
 子どもが考えていることには、時として、とても深い意味が含まれていることがあります。「どうしてそう考えたの?」と子どもの意図を尋ねる一瞬の余裕を持てるように心掛け、この様な対応ができるように努めていきたいと思います。
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